刺身(さしみ)の由来や語源をご紹介します。
刺身(さしみ)って刺してもないのに刺身って呼ばれていて不思議ですよね。
海鮮物豊富な日本で育った生食文化。
最近では海外でもスシやサシミを平気で食べられる人が増えてきました。
スシやサシミは海外でも高級なので、そういう高級品を食べられる人=教養がある人みたいに見られるようですね。
ちょっと昔は刺し身なんて生の魚の切り身だけを食べるなんて「無理!」という海外の人は多かったのに・・・。
世界も変わったものです。
ということで今回は刺身は切ってあるのになぜさしみと呼ばれるのか名前の由来や刺身の語源について調べてみました。
結論からいうと刺身の由来や語源ははっきりしないんです!
とはいえ諸説あるのも事実。
なので刺身の由来や語源から大きく分けて4つご紹介します。
切ってある刺身がなぜ切身でなくて刺身と呼ばれるのかわけわかんない!と思う人は読みすすめてみてくださいね。
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刺身の由来「魚の種類を区別するためにヒレを刺したことから」説
色々な魚の刺身を盛るとどれがどの魚かわからなくなってしまうのでヒレ(背びれ・尾びれ諸説あり)を刺したから刺身と呼ばれるという説があります。
でもヒレがなくても魚の刺身は色や柄でだいたいなんの魚かわかりますよね。
そんなことからヒレをわざわざ刺すことがなくなったのかもしれません。
一方で料理人が並べる時にどれがどの魚かわかるようにヒレを刺した、という説もあるようですね。
でも料理人こそヒレをみて確認しなくても魚の色や柄、感触などでどの魚かわかるでしょう。
なので料理人がどの魚かわかるようにという説もちょっとあやしい気がします。
魚をおろしたことがある人はわかるかもしれませんが、ヒレを切り落としたらそれをわざわざひっくり返して刺身の状態にした魚に刺すかな?という疑問もあります。
切り落とした部分を下に、ヒレを上向きに刺身にのせる方がヒレがきれいに見えて現実的な気がしませんか?
なので、刺身の語源は”魚の種類を区別するためにヒレを刺した説”はあやしいと思っている人は多いようですね。
私もあやしいと思います(笑)
では他に刺身の語源としていい伝えられているものにはどんなものがあるでしょうか?
刺身の由来は「切る」が人を斬(き)る・切腹するなどを連想させ忌み嫌われたため説
刺身の由来の2つ目には「切る」という言葉が縁起でもない説です。
●切腹する=海外ではなぜかハラキリと呼ばれますね。
など戦国時代にありがちなイメージをさけたかったということです。
人を切ることに語感が近いので縁起でもないとさけられたというわけです。
というわけで切り身でなくて刺身と呼ばれたというわけです。
うーん・・・。
最近の日本は刺す事件ばかり。
悲しいことに刺身の方が縁起でもなくなってきている状態です。
戦国時代でもないんですから平和に暮らしたい。
さてさて・・・
昔から関西中心に刺身は「お作り」と呼ばれてきたようですが、関東でも普通に「お作り」といったら刺身が浮かびますよね。
漢字は「お作り」より「お造り」のほうをよく見るかもしれません。
それに刺身よりお造りといわれたほうが丁寧で高級感があるように感じますね。
ネットなどの発達で東西の文化も急速に混ざり合っている今日このごろ。
節分の日にがぶりと食べる大きな巻き寿司である恵方(えほう)巻き。
これはもともとは関西のだったんですよ。
それが今では関東でもスーパーやコンビニに普通に置かれるようになりましたもんね。
「お造り」もいまでは日本全国で通用する言い方となっています。
刺身の由来は料理用語から
料理用語で「刺す」は対象物を切り分けてからさらにこまかく切ることをさします。
プロが刺身を切る様子をみたことがありますか?
テレビや高級寿司店で目の前でサクサクと魚を刺身にする様子をみたことがあると思います。
それはまるで切るというより刺しているような感じ。
実際によく切れる包丁を使っていますからね。
あまり前後に押したり引いたりしなくてもスッと切れる様子は「刺す」で納得です。
刺身という言葉がで始めた室町時代(1300年代)では「指身」という漢字が使われていて、調味料につけられた「なます」に似た料理だったようです。
なますに似ていたというだけで、酢を使っていたわけではないということろがまた面白いですね。
だんだんと醤油の量産や流通経路の発達によって切っただけで食べられる現在の刺身へと変化してきました。
調味料につけなくても少々の醤油とつま(大根を細く切ったもの)なんかがあれば加工なしでおいしく食べられるようになってきたんですね。
刺身の由来は結局不明?歴史って恐ろしい
他にも
●中国語が語源説
●結婚式などのお祝いの席に出されることが多いので「切る」は縁起が悪い
など、刺身の由来を調べれば日が暮れるほど諸説が出てきそうです。
ただ、刺身という言葉が中国語から入ってきたというよりは第二次世界大戦以降日本語が中国語として定着した説の方が強いです。
生の魚介類を食べることも日本から入っていった調理法のようですね。
結婚式で刺身が出されるようになったのもどちらかというと最近の話だと思います。
大昔に山奥の集落に新鮮な魚を届けるわけにはいかなかったでしょう。
ここでいえるのは、刺身の語源は結局はっきりしないということ。
刺身という料理や言葉が出始めたとされる室町時代は1300年代なので700年以上のときが経っています。
それだけの時が経つと語源でさえなんだかはっきりしなくなってきてしまうんですね。
ということは今適当につけた名前があったとすると、700年後の人たちに「なんでこんな呼び方するの?」といわれてしまうかもしれません。
不思議なことばの発達が「刺身」で浮き彫りになりました。
刺身の諸説、どれがいちばんしっくり来ましたか?
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