肝試しってなぜ『肝(きも)』の字を使うんでしょうか?
ことばの由来も気になりますよね。
また、肝試しがはじまった起源はいつごろになるんでしょうか?
毎年夏になるとドキドキヒヤヒヤの肝試しについて気になる人はどうぞ最後まで読みすすめてみてくださいね!
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肝試しはなぜ『肝』なのか
肝試しの肝(きも)は肝臓から来ています。
肝は昔から気力や精神力の元とされています。
なので「肝が太い」は”おそれることがなくどっしりと構えていること”を指しますし、「肝っ玉母ちゃん」は”どんなこともおそれないお母さん”を指しますね。
「心臓に毛が生えている」ということばは”大胆だ”とか”度胸がある”という意味もあります。
同じような言い方で「肝(きも)に毛が生えている」というのもありますね。
でもどちらの言い方もそこに”厚かましい”というニュアンスが入るので肝試しにはちょっと向いていない表現かもしれません。
なので暗い夜道をすすんでいく肝試しを怖がらない人については「肝(きも)が据わっている」とか「胆(たん)が据わっている」と表現するといいですね。
肝試しの由来や起源
肝試しの由来は肝の強さを試すことから。
体の中でも重要な肝は気力や精神力が湧いてくるところとされていましたよね。
よく「ここがキモだからよく覚えておいて」など重要なものやことを指して肝ということがありますね。
すごくびっくりしてしまうと「肝を潰す」ヒヤッと危険なことに対してびっくりすると「肝を冷やす」などという表現もあるくらいです。
そこまで大事な『肝』がどれくらい強いのか試すのが肝試しの由来というわけです。
また、肝試しの起源ですが、少なくとも平安時代の後期には記録として残っています。
有名なのは『大鏡(おおかがみ)』という物語です。
内容が肝試しなので古文とはいえ比較的中高生ウケしやすく、学校の古文で習った人もいるかもしれません。
花山天皇が藤原兼家(ふじわらのかねいえ)の3人の息子に肝試しをさせるという物語なんです。
午前3時に鬼が出ることで有名な屋敷に出向く息子たち3人。
ひとり肝試しを最後までやり遂げた藤原道長(ふじわらのみちなが)が証拠にその屋敷の柱を刀でけずって持って帰ってきたという話です。
まずは複数人で出かけさせて、ゴールまでたどりついた証拠品を出させるところは今の肝試しと同じですね。
肝試しの別の言い方
肝試しに別の言い方にはこんなものがあります。
・胆試し(読み方:きもだめし『肝試し』との漢字一字ちがい)
・度胸試し
・我慢比べ
・チキンレース
胆試し
まず”肝試し”と漢字一字ちがいの『胆試し』です。
漢字では『胆(たん・きも)』と読みます。
肝臓のすぐ下に胆嚢(たんのう)がありますが同じように決断力や勇気が湧いてくる場所だといわれています。
度胸試し
『度胸試し』は最近あまり聞かなくなった印象ですが肝試しと同じような意味で使われていますよね。
ただ、”度胸を試す”ということなのでバンジージャンプやスカイダイビングなど幽霊やおばけとはちがう恐怖に耐えられるか試すという意味でも使われますね。
我慢比べ
ただの『我慢比べ』だと何を我慢するのかがわかりづらいですよね。
怖いのを我慢するのが肝試しですが、やはり我慢を比べるということなの『足がしびれるまで我慢して正座する』といったように苦痛に耐える意味が強いですね。
チキンレース
唯一のカタカナであるチキンレース。
・崖っぷちギリギリまで車を走らせる
・向き合った2台の車を走らせぶつかる直前までよけなかった方が勝ち
といった、度胸試し的な意味があります。
なので日本語では車を走らせるイメージなのかrace(レース)がついたようなんですが・・・。
英語ではchicken gameとかthe game of chicken といいます。
ちなみに「あいつ(男性)、怖がりやで〜」はHe’s a chicken.ということができます。
チキンには『臆病とか怖がり』という意味があります。
肝試しで金切声をあげてしまうダメンズにいってあげるといいかもしれません(笑)
肝試しはなぜ肝のまとめ
肝試しはなぜ『肝』なのかみてきました。
肝臓から来ていて、肝の字が内臓全体や重要な物事を指すんでしたね。
その肝が『強いのか試してやろうじゃないか』というのが肝試しの由来でした。
起源は平安後期に鬼がいるという屋敷まで3人の若者が出かけていってひとり証拠を持って帰ってきた「大鏡」という物語が記録として残っています。
肝試しのなぞが解けたら幸いです!
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